今回は、クリスマスを意識した旬の料理がテーマです。旬の食材とちょっぴり贅沢な食材を組み合わせて、オリジナルのクリスマスディナーコースを組み立ててみました。食の話題で盛り上がる楽しくて美味しいハッピーホリデー版「旬をいただく」です。
オマール海老とカリフラワーのフラン
フランは具材と生クリーム、卵をプリンのように蒸し固める料理。今回の具はオマール海老とカリフラワー。オマール海老の旨みを凝縮させたスープをカリフラワーとともにフランに仕立てます。オマールの香り立つような甘味とカリフラワーのさっぱりとした味わいを、ぷるるんとした口当たりとともに。
フォワグラのテリーヌとローストビーフのタルタル
前菜料理として、そのままいただいても十分に美味しいフォアグラのテリーヌに、ローストビーフを小さな角切り状にしたタルタルステーキを重ねます。ちょっと贅沢だけどこの二つの旨みが重なるとなんとも重厚で優しい口当たりに。そのままいただくも、添えたパンに載せていただくも、ご自由に。
季節の彩り野菜 レムラードソース
レムラードソースとは、フランスの家庭で愛されるマヨネーズ主体のマスタードソースのこと。今回は卵黄ベースにマスタード、バジル、はちみつ等でアレンジされ、野菜の自然なおいしさをひきたてるには、もってこいの口当たりです。旬の野菜それぞれに少しばかり熱を加えて、レムラードソースをかけるだけ。野菜との会話を楽しみながらいただく気分です。
八丈島金目鯛のヴァプールとタラの白子 紅心大根のスープ
お祝い料理に供される事の多い金目鯛の旬は、脂ののった冬とも、産卵前の夏とも言われますが、今回は脂の載りを選択。 もう一つの旬は白子。 ヴァプールは蒸し焼き。蒸すことで金目の赤と白子の白を引き立てます。
紅心大根のなんとも言えない甘味ソースに絡めていただきます。色彩の取り合わせもハッピーホリデーです。
風聖護院カブのグラニテ
実にさっぱりとした口直しの一品。グラニテとはシャーベット状の氷菓で、その役割を聖護院カブに担わせました。カブの風味とほんのりとした甘さが ちょっと新鮮です。
リゾーニ ミラネーゼ
リゾーニはお米のような小粒のパスタ。ミラネーゼはミラノ風のことで、正式には黄金色。トッピングされているのはパルミジャーノチーズを焼き固めたもの。リゾットのような食感とパスタの滑らかさ、チーズの味わいが一つになったプレートです。
丹波篠山イノシシの赤ワイン煮込み パイ包み焼き
昔から「山クジラ」とも言われ、良質なタンパク質と歯ごたえのある肉質で知られる猪肉。特有の肉の臭みや硬さを上手く旨みに変え、味わい深くしてくれるのが赤ワインです。しっかり煮込んだお肉を今回はパイ生地に包んで焼き上げました。丹波の小豆をスープに仕立てて、程よい甘さとのアンサンブルを楽しみながらいただきます。
ザッハトルテ
料理の締めくくりは、杏子ジャムとイチゴ(生)を生地に挟んで、全体をチョコレートでコーティングしたザッハトルテ。杏子とイチゴの甘酸っぱい舌触りにチョコレートのふくよかな甘さが加わって、実に親しみ深い豊かさが口の中に広がります。
協力:add:PAINDUCE
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya