6月を24節気で表せば、「芒種(ぼうしゅ)」と「夏至(げし)」。芒(ぼう)とは稲の穂先のことを言い、種蒔きの季節であることを示しています。夏至は太陽が真上に来て、1日が1年で最も長い日。気温が高まり、日も長く、梅雨入り間近な田植えの時期とでもいえるでしょうか。同時に、魚たちは成長して脂のノリもよくなり、青豆類やナス、瓜なども出揃う日本特有の季節で、いろんな食材が美味しい夏の入り口です。
旬の食材1. おくら
主な産地:鹿児島、愛知
おくらは英語名なので、オクラと書くのが正解かも。東北アフリカ原産の緑黄色野菜で、抗酸化作用のあるβカロテンが豊富。独特の粘りは多糖類特有のもので、胃の粘膜を強くする効果があるようです。ハウス栽培から路地ものへ変わる6月から7月にかけてが旬。表面のウブ毛を上手に取り除くのが、美味しい調理のポイントでしょうか。
旬の食材2. ゴーヤ
主な産地:沖縄、鹿児島
沖縄の、夏の、食文化に欠かせないゴーヤ。別名、にがうり。こう見えて、和え物、酢の物、サラダ、揚げ物、炒め物など調理方法は多彩。ビタミンCは、レモンの2.5倍で食物繊維も豊富。苦味のもとである“モモルデシン”には食欲促進の効果があります。夏バテ防止にゴーヤというのもよくわかりますね。
旬の食材3. ズッキーニ
主な産地:長野、宮崎
キュウリを大きく、緑の黒みを強くしたようなズッキーニは、かぼちゃの仲間。ズッキーニというのはイタリア語で、英語ではサマースクワッシュの名の通り、旬は夏です。味覚的にはナスの果肉に近く、ほのかな苦味があります。油との相性は抜群で、日本ではソテーやフライでいただくことが多いようです。主産地のフランスではラタトゥーユなどの煮込み料理に使われます。疲労回復や動脈硬化の改善に威力を発揮します。
旬の食材4. さくらんぼ
主な産地:山形、北海道
さくらは大きく食用と観賞用に分かれ、「さくらんぼ」は寒い季節で育つ西洋実桜(セイヨウミザクラ)や比較的暖かな土地でも育つ支那実桜(シナミザクラ)の実。佐藤錦やナポレオンといった品種が有名ですが、写真は紅秀峰という大粒のもの。実が硬めのため高温に強く、糖度も高く、適度な酸味もあって「さくらんぼ」らしい味わいが特徴です。