植物が芽を出して生い茂る月。3月を表す「弥生」にはそんな意味合いがあるそうです。この時期、「春は苦味のあるものを食べよ」というのが先人の知恵。
苦味のある木の芽や山菜には、ミネラルやポリフェノールなど細胞を活性化させる働きがあるからです。冬から春へ。美味しい旬で、体を活性化させる準備を始めませんか。
ワケギとウドのぬた和え風
ワケギとウドを、和食とは少し違うぬた和え風にいただきます。白味噌とゆずの代わりは、クリームチーズとグリーンマスタード。これにもち豚で作った煮こごりや紫さつまいもを加えて混ぜ合わせます。上からかけるのは焦がしたバスケット。パンをつまみながらいただけるぬた和え(風)、ほっこり前菜です。
フレーゴラのホワイトアスパラガス添え
フレーゴラとは、南イタリア・サルデーニャ島の伝統パスタで、お茶漬けあられのような粒状をしています。あっさりと和風だしで湯がいたフレーゴラをお沢に敷いて、ローストしたホワイトアスパラガスをその上に飾りました。緑の添え物はオクラの新芽。これに生のりで風味添え。あっさりとして、ホワイトアスパラガスの甘味が引き立ちます。
ソーセージとたけのこのパスタ
小さく刻んで湯がいた筍に合わせるのは、サルシッチャというイタリアン生ソーセージ。これも小さく手でつぶし、いっしょに炒めてパスタを絡めます。味を整えるのは山椒の役割。筍の味覚を春らしく楽しもうとすると、やはり和風の味わいが欠かせませんね。ソーセージの深みと筍のあっさり感が絡み合ってベストマッチです。
パンのローストミルフィーユ
季節にあやかって、3色のパンデザートを作ってみました。食パンを3編に切り、それぞれゆずの絞り汁と緑茶(緑)、ビーツ(赤)で色付けしてロースト。プレーンと合わせて3色ミルフィーユのように重ね合わせます。パンとパンの間には、ホワイトチョコレートのクリームを挟みました。パリッとした口当たりと甘くて優しいホワイトチョコの味わいが、口の中でとろけます。
協力:Restaurant URATEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya