「365日」杉窪シェフに教えを受けた、「セチュヌボンニデー」の有形シェフ。
Happy Cooking東京本校で行われた、新麦コレクションがプロデュースする「小麦が主役のパンレッスン」で、師匠譲りの、国産小麦の持ち味を生かしたパンを教えてくれました。
クイック法で作るミルクフランス。
発酵が短時間なので家庭でも簡単に作れ、軽くて歯切れのいいパンになります。
北海道産小麦『煉瓦』と『パティシエール』を使います
まず、材料の説明から。
小麦は北海道産を使用。
「『煉瓦』(江別製粉)は、はるきらりときたほなみのブレンド。
灰分を残した、少し茶色い粉です。
『パティシエール』(江別製粉)はきたほなみです」
脱脂粉乳ではなくミルクパウダーを、塩はローズソルトを使います。
「ミルクパウダーは、脱脂粉乳と違い、脂肪分を含むので、ミルク感がでます。
ローズソルトは岩塩なので、粒が舌に当たって、味にめりはりが出ます」
コーンフラワー(トウモロコシの粉)を入れるのも特徴。
「コーンフラワーを入れると歯切れがよくなり、風味、甘い香りもあります。
牛乳も入れると歯切れがよくなる。
イーストの匂いをマスキングしてくれる効果もあります」
本ごねの前に、セミドライイーストの予備発酵を行う。
「セミドライイースト(0.6%)を、42℃のぬるま湯(5%)で溶きます。
セミドライイーストは、発酵の立ち上がりが遅いので、そこをフォローするためです。
セミドライのよさは発酵臭が出ないこと。
多めに配合しても臭くありません」
こねあげ温度のポイントも丁寧に教えてくれました
ミキシングは手ごねで。
煉瓦(40%)、パティシエール(55%)、コーンフラワー (5%)、ミルクパウダー(4%)、ローズソルト(2%)、グラニュー糖 (3%)、牛乳(20%)、水(42%)、予備発酵したイースト溶液をボウルの中にオールイン。
「お店でも、ミキサーと手ごねを併用する事で、数種類の生地を効率よく仕込んでいきます」
「一旦ヘラで溶いてから手でこねます。
3~4分混ぜ、つぶつぶが消え、なめらかになればOKです。
表面は張らせてください」
「こねあげ温度は20℃ぐらい。
20℃以下だと発酵が遅くなります。
25℃以下の室温なら22℃で大丈夫です。
30℃になると味気ない生地になるので気をつけてください。
発酵のあと、24℃付近で分割します」
「発酵時間は1時間半~2時間。
元の大きさの2倍ぐらいになったら終了です」
成形。まっすぐ伸ばすコツとは
70gで分割、軽く丸めて少し休ませたら、成形。
長さ16センチのドッグ型に伸ばしていく。
叩いて空気を抜く
上と下から折り返して3つ折り
手のひらで16センチまで伸ばす
「ポイントは(3つ折りにしたとき)四角になること。
この形ができると、自然とまっすぐに伸ばせます。
逆に、四角くないと斜めになる。
伸ばすときは、均等に生地量があるように意識してください。
太さが端から端までそろっているときれいに見えます」
最終発酵は32℃で20~30分。
「今回クイックなので発酵が速い。
タイミングがむずかしいですね。
過発酵だと思ったらすぐホイロから出して、冷やしちゃって大丈夫です」
横1本にクープを入れたら窯入れ。
「はるきらりは、グルテンの伸びが良く、きたほなみは国産らしい甘味があります。」
おいしいミルククリームの作り方
おいしいミルククリームの作り方も教えてくれた。
無塩バター(100g)、粉糖(60g)、ミルクパウダー(20g)、クレームドゥーブル(50g)をホイッパーやフードプロセッサーなどで混ぜる。
「バターは常温に出してすこしやわらかくして、ポマード状にしてから、材料をどんどん混ぜる。
バター→粉糖→ミルクパウダー→クレームドゥーブルの順に入れていきます」
「クリームは油脂と糖分なので、余ったら冷凍してかまいません。
分離していたら、混ぜて乳化させてください」
焼きあがった生地に切り込みを入れ、クリームを絞る。
「中心より上のところを、斜め下に向かって切り込みをいれます。
ミルククリームを絞ってできあがりです」
ミルクフランスは、大人も子供も誰でも笑顔になるパン。
歯切れよく、口溶けよく。
国産小麦の風味を感じられればなおのことおいしい。
〒214-0014 川崎市登戸1889 今野ビル1F
044-931-6910
7:30〜19:00
不定休(HPまたはFacebookで要確認)
Official Site http://cestune-bonneidee.com/
Facebook https://m.facebook.com/CestUneBonneIdee/
フランスをテーマにバゲット、クロワッサン、キッシュなどのお惣菜系、デニッシュなどスイーツ系と幅広く展開。
すべてのパンに国産小麦を使用、契約農家から直接届く素材も使って具材を自家製。
発酵の取り方などに工夫、食べやすく、楽しい演出のあるパンを提供。
パンライター。パンの研究所「パンラボ」主宰。ブレッドギーク(パンおたく)。パンを食べまくり、パンを書きまくる。日々更新されるブログ・twitterでは、誌面で紹介しきれないパンの情報を掲載中。主な著者に『パンラボ』(白夜書房)、『パンの雑誌』(ガイドワークス)などがある。
【BLOG】http://panlabo.jugem.jp/
【Twitter】@ikedahiloaki