秋になると食欲が増す、というのは気温や日照時間に関係があるようです。精神を安定させるセラトニンという物質が少なくなり、それを体が糖質や乳製品、お肉で補おうとするからなのだそうです。実りの秋という自然の恵は実に理にかなっている。美味しいからといって、いただきすぎには要注意ですが。
鳴門金時のテリーヌ
さつまいもの前菜は、実に簡単でしかも美味しい一品。さつまいもを蒸して、皮を取り、テリーヌの型容器二つに詰めて、押し寿司の要領で押し固めます。
蒸し加減はかなり柔らかめ。容器にはラップを敷いておくと後で取り出しやすくなります。冷まして、お皿に出せば出来上がり。お塩を振ればテリーヌに。お砂糖をまぶしてバーナーなどで炙ればデザートに。さつまいもならではの万能料理です。
秋刀魚と松茸の包み焼き、イカスミソース
秋刀魚の身と松茸、これに茄子、レンコンなどの秋野菜をお好みで重ね、パートブリック(春巻きの皮でOK)で包んで、オーブンで焼きあげます。野菜に秋刀魚の香りと脂が馴染んだ、まさに秋の味覚。松茸のシャキシャキ感がこれにしっかりとした口当たり感を添え、パートブリックのパリパリ感がさらに加わります。イカスミソースで塩加減を調整しながら味わいます。
もち豚、梨とすだちの冷製パスタ
梨とトマトに軽く火を通し、細麺のパスタに絡めます。その上に冷しゃぶ風もち豚を添え、すだちの果汁と唐辛子パウダーを軽く降りました。味覚のバリエーションを楽しむために、カリカリ感の強いグリッシーニも添えました。梨の甘味が豚肉とパスタによく合い、さらにほどよい酸味と唐辛子の辛味が味わいの幅を広げてくれます。
無花果のタルト 黒糖のジェラート添え
ビーツを練り込んだ野菜パンをタルトの生地代わりにして、その上にスライスした無花果をのせ、オーブンで焼き上げました。練り込んだ生地よりも無花果の柔らかさとパンのパリパリした食感のコントラストが楽しめるからです。上に添えたのは黒糖でつくったジェラート。無花果と黒糖はどちらも甘味が個性的ですが、相性抜群。それぞれの良さを引き立てあってくれます。
協力:Restaurant URA
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya