8月は夏の最盛期。湿度も高く、日差しも強いので体力の消耗が一段と激しくなります。水分のとりすぎなども手伝って食欲が低下すると、ついつい喉通りの良い麺類が多くなり、糖質過多にもなりがち。こんな時期には色の濃い緑黄色野菜など、体の酸化を防ぐ抗酸化作用の強い食材が頼りです。水分を多く含む夏野菜も、熱中症予防に欠かせません。
旬の食材1. とうもろこし
主な産地:北海道、千葉
夏には欠かせないスイートコーン。最近では品種改良も進み、随分糖度が多くなりました。ただ、生のままのとうもろこしは、収穫された時点から糖分がでんぷんに変化していくので、収穫間近の新鮮なものを選ぶことが大切です。保存するなら、茹でるか蒸すか。ラップで密閉して冷凍するのが基本です。
旬の食材2. 鱧
主な産地:宮崎、長野
関西ではおなじみの鱧料理。海のない京都では、生きたまま運べる生命力の強い魚が珍重されました。背骨が強く小骨も多いことから、「鱧の骨切り」なる料理法が開発され、独自の食感とともに「夏の風物料理」として親しまれるようになった訳です。秋口の産卵を控え、食欲旺盛になる夏場や、冬を越す前の脂の乗った時期が旬と言われますが、晩秋はほとんど水揚げがありません。
旬の食材3. 桃
主な産地:山梨、福岡
季語では秋とされる桃ですが、旬の時期は梅雨明けから真夏にかけて。早くから品種改良が進んだせいで、実に多様な桃を楽しむことができます。一般には、白鵬、白桃、黄金の3系統。店頭で選ぶなら綺麗な紅色や白い斑点の広がりがあるもの。黄味や緑が感じられるものは鮮度落ちの証拠です。硬く未熟なものは常温で保存。いただく10時間位前に冷蔵庫で冷やすのがポイントです。
旬の食材4. すいか
主な産地:熊本、山形
数ある夏の果物の中でも、最も日本らしさを感じる「すいか」。95%近くが水分で、ほのかな香りの奥ゆかしさが日本人に向いているのでしょうか。それでもビタミン類は豊富で、抗酸化作用にも優れています。すいかには追熟がないので、採れたてが一番。冷やしすぎると甘みが損なわれるので、冷水にさらすくらいがちょうど。昔の人の知恵はたいしたものです。
協力:Restaurant URA
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya