前回はアトリエでご紹介している「パンと紅茶のペアリング」のお話でしたが、お菓子でも同じなのでぜひお試しください。でも、“お茶が美味しいこと”は外せませんよね。
紅茶は湯が熱ければ熱いほど香りがたち、空気を含ませた湯で茶葉を回すように淹れることがポイントです。
◆おいしく淹れる かんたんなコツ
紅茶のおいしい淹れ方 “ゴールデンルール” |
1. ポットを温める |
2. 沸かしたての湯を用意する |
3. 適量の茶葉をポットに入れる |
4. しっかりと蒸らす |
たったこれだけ。ひとつずつ解説しますね。
1.ポットを温める
〈湯をポットの3~4割注ぐ〉
紅茶を淹れるのに温度はとても大切で、高温で淹れるほど香りが高く立ちます。温めないポットと温めたポットでは10℃くらい温度が変わるので、この下準備は大切。90℃以上だと香りや味がしっかり出るため、できるだけ長い時間高温を保つことがポイント。
2.汲みたて沸かしたての湯を用意する
〈95℃~98℃〉
水道水でOK(浄水器を通した方がベター)。ぼこぼこと沸いた沸騰直前の、空気がたくさん含まれている熱湯を注ぎます。
3.適量の茶葉をポットに入れる
〈ストレートの場合 茶葉1g 湯100㏄を目安〉
茶葉がジャンピングしているかどうかがポイント。ポットは熱いまま、湯を勢いよく注ぐ対流運動(ジャンピング)によって抽出されます。湯を注いだらポットを揺らしたり動かしたりしないこと。
4.しっかりと蒸らす
〈5分を目安〉
湯が熱いほど紅茶の香りが立ちます。ポットの蓋をそっと乗せ、おいしさの成分をしっかり引き出します。アトリエでは茶葉2g 湯200㏄、蒸らし時間は5分。
*ミルクティー…ストレートの2〜3倍の濃さにするのがおすすめ。(お好みで茶葉の量を調整してください)
温めておいたカップに常温のミルクを注ぎ、紅茶液をカップに注ぎ入れます。ミルクの量は紅茶液7:ミルク3くらい(お好みで調整を)。ミルクはぜひ低温殺菌牛乳を。香りと軽い口当たりが違いますよ。
◆水色(すいしょく)の違いは茶葉の違い?
紅茶の原材料はツバキ科ツバキ属「チャ」という木。「チャ」は緑茶や中国茶の原料にもなり、発酵の具合で紅茶(完全発酵茶)、中国茶(半発酵茶)、緑茶(不完全発酵茶)に分かれます。もとは全て同じなのですね。
私のお気に入りの紅茶のひとつがダージリン ファーストフラッシュ。紅茶の中でも摘む季節によって茶葉の色や水色が変わるのがダージリンです。
「ファーストフラッシュ」は春摘み。若い芽を摘んでいるので緑茶のような水色で、花のような爽やかな香りが特徴。「セカンドフラッシュ」は夏摘み。若葉がもう少し強くなり、褐色をおびた水色で、香り・味わい共に強くなる。「オータムナル」はモンスーンが開けてからの秋摘み。茶葉に栄養分が詰まり、味わいが深くコクのある渋みやしっかりとした茶褐色の水色。
(写真はファーストフラッシュとセカンドフラッシュ)
◆手早くおいしいアイスティーの作り方
これからの季節は涼やかなアイスティーで喉を潤したくなりますね。香りを残しつつ、すぐ淹れられる「オンザロックス方式」のポイントは、この2つ。
1.1.5倍の濃さのホットティーをいれる
氷でしめることを考慮して湯の量を減らします。1.5~2倍の濃さになる紅茶液を作ります。蒸らし時間は5分。
2.急速に冷やす
氷をたっぷり入れたポットに紅茶液を注ぎ、急速に冷やします。溶け残った氷は外してグラスに紅茶を注ぐ。または新しい氷をグラスに入れ、紅茶を注ぐ。
なぜ紅茶のおいしさにジャンピングは欠かせないのでしょう。その仕組みは‥勢いよく注ぐ湯(ジャンピング)で、茶葉に水を浸透させる。沸かしたての湯には酸素がたくさん含まれているため、細かな気泡によって茶葉が浮く。このフワフワと茶葉が回るとき、紅茶のおいしさが、ゆっくりと出てくれるのですね。
味の好みは様々で、濃く淹れたミルクティーがお好みの方もいらっしゃると思います。自分のおいしいと感じる味に、おいしく淹れられたらいいですね。そんな私も毎回パーフェクトではないのが残念なところ。でも、おいしく淹れられた!と思えた時は本当にうれしい。そのおいしい一杯に癒されます。