6月の旬歴は、仲夏。陰暦では5月、陽暦では6月を指し、穀物植え付けの適期となる6月初旬(芒種:ぼうしゅ)から小暑(7月7日)となるまでの時期を表すようです。夏の陽気が定着するので砕き氷を料理に用い、清涼感を求めるようになるのもこの頃。鮮度の高さが旨味につながりますが、逆に鮮度が落ちやすい季節でもありますので、素早い下拵えや清潔感にも気を配りたいものです。
塩トマトのガスパチョ
濃厚な野菜の旨味が特徴の冷製スープ。スペイン南部のアンダルチア地方で生まれたと言われる料理です。トマト、玉ねぎ、セロリ、パプリカ、キウイをマリネにして1日置きます。少々のタバスコを一緒にしてミキサーにかけました。「トマトって、こんなに甘かった?」そう思えるくらい、ミネラルを感じられる一品です。
鰻とミニマンゴーのテリーヌ
鰻とマンゴーを重ね合わせ、ココアのパンで包み、テリーヌのように蒸し焼きにしました。鰻とマンゴーは相性抜群。マンゴーの深い甘みが鰻の濃厚な味わいを引き立ててくれます。パンがふんわりとした口当たりに変える不思議なアンサンブル。マンゴーのこんな楽しみ方もあったのですね。
カツオのフリット
カツオを鮎の魚醤でマリネして焦がしたパン粉を衣に。身がロゼになるくらいであげると、サクッとして味のある衣と、カツオの柔らかな風味が両方味わえるフリットに仕上がります。鮎の魚醤は上品で香り高く、オススメです。
新じゃがと明太子のパスタ
新じゃがをピューレにして、そこに明太子を加えてソースに。これにパスタを絡め、ピリッとした風味の葉わさびを添えました。麺は硬めに仕上げるのがポイントです。じゃがいもの風味と明太子の色合いはあっさりとして見えますが、意外に重めのしっかりとした口当たりです。
枇杷と餡パン
あんぱんの中に、枇杷とクリームチーズの取り合わせ。ほうじ茶をアイスパウダーにしたものを添えていただきます。ちょっと和風のデザートですが、あんと枇杷の仲をクリームチーズが取り持ってくれて、洋の風味もほんのり口に広がります。
協力:Restaurant URA
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya