5月からのお料理は、ちょっと夏向き。暑さに向かうにしたがって、お醤油を控えめにして、その分お塩の加減で味覚を整えます。外気の温度と口当たりって、意外に繊細。野菜もみずみずしい食材に恵まれる季節ですから、あっさりとした初夏の風味を楽しみたいところですね。
うすいえんどうのポタージュ
豆の風味をしっかり味わうために牛乳などは一切加えず、うすいえんどうだけをブレンダーで細かく砕き、とろとろ煮込んで裏ごし。お塩だけで味を整えると豆の甘みがより強く感じられます。オリーブオイルがその甘味を口の中で優しく広げてくれますね。緑の色合いの美しい、さわやかな味わいです。
たけのことスネ肉の煮込み
たけのことスネ肉を甘辛く煮込みました。あっさりとしたたけのこと個性の強いスネ肉。お肉はかぼちゃを練りこんだパンの上にトッピングして、たけのこの柔らかい口当たりとバランスをとります。お皿の端には、綿菓子。甘辛さを、好みの甘さに変える「調味」の役割を果たします。アクセントに、スナックえんどうの幼葉であるピーテンドリルを添えました。
ホタルイカとそら豆のパスタ
ホタルイカは、目の部分の軟骨を取り除くとコリコリ感もなくなり、とても柔らかくなります。フレッシュトマトとそら豆を耳たぶのショートパスタ(オレキエッテ)にあえて、色目も楽しめるパスタに。ホタルイカの優しい口当たり、そら豆のホコホコ感、トマトのフレッシュさが口の中でひとつになると、お口の中は、初夏のさわやかな陽気で満たされます。
新たまねぎのブリュレ
新たまねぎをとろとろにして、卵白と生クリームでブリュレに仕立てます。 新たまねぎは甘みが強く、ホロリとした苦味もあるので、それを生かすために砂糖は極力使いません。すると、デザートはもちろんですが前菜としても味わえる風味豊かな一品に仕上がりました。
協力:Restaurant URA
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya