クロワッサンは3~4mm程の生地の間にバターの層が幾層も重なり、焼成中にバターの水分が蒸発して生地を上へと持ち上げること美しい層が現れ、膨らみます。何層にも重なった生地とバターが生み出す食感こそクロワッサンの醍醐味。 ハラリと崩れそうに繊細な層が重なるサクサクのもの、折込の層を減らしてザクザクっと歯触り良さを特徴としたもの。折込バターの使い分けでも印象が変わる、店の個性を表現したパンのひとつだと思います。季節にも天気にも負けない“クロワッサン食”を楽しみたいですね。
秋から春にかけて湿度に負けない気候なら、買ってすぐ頬張るのが間違いなくおいしい。もちろん当日食べられないのなら保存も(一応)できます。その場合はラップに優しく包んでジップ付袋で冷凍庫へ。バターのジュワッと溢れる風味と食感を”焼き上がり”のようにいただくならリベイクを。
オーブンでリベイク
- 160~180℃くらいに温めたオーブンに3~4分入れる
- 触って表面がパリッとしていたら1~2分そのまま入れておく
- オーブンから取り出して少し冷めるのを待つ
トースターでリベイク
- 予熱したトースターに3~4分入れる
- 触って表面がパリっとしていたら1~2分そのまま入れておく
- トースターから取り出して少し冷めるのを待つ
(私は一番上のツノの部分が焦げそうになるまでそのままにします。トップだけ焦げていたら一番上のツノの部分を外して食べます。実際には焦がさないのですが、気になる方や熱線が近いトースターをお持ちの方は途中でホイルを被せても。)
photo 「ラ フルネ (La Fournee)」 大阪府大阪市
夏の日や雨の日のように、湿度や気温が高いとサクサクした食感も半減。そんな時はリベイクをし、食感を戻してから味わいたいものです。けれど、私の個人的なお気に入りは帰宅したら冷蔵庫に15分程入れる、というもの。
折込層の中のバター(油脂)が冷やされて固まり、締まった食感で食べることができます。例えるなら冷蔵庫に入れたパイのような感じに。
冷えることで香りも閉じ込められてしまうけれど、夏場は逆にさっぱり感じられるので、このような食べ方も美味しくてお気に入りです。
でも、バターの香りを芳醇に味わうのなら、是非ともリベイクを。
空気がカラリと乾いた秋から冬にかけてはパンを持ち帰るのに快適な気候です。クロワッサンをたくさん買ったら袋やラップに包んで、翌日にサンドイッチにするのもいいですね。生地がしっとりするため具材の食感と風味も馴染み、一層おいしくいただけます。
シェフの想いと技術が詰まっているクロワッサン。出会ったお店で食べ比べるのもいいですね。
ブーランジェ エス・カガワ(Boulanger S. KAGAWA)大阪府大阪市
パティスリー ア・テール (a terre)大阪府池田市
フードスケープ (foodscape!)大阪府大阪市
リチュエル(RITUEL)東京都港区
ル シュクレ クール (LE SUCRE-COEUR)大阪府大阪市
TEXT & Photo : Yumiko Sanda
日々、教室を運営しながら自らも学び、パンに触れる暮らしの中での気づきや、パンを楽しむ皆さんへ伝えたい事を綴っていただきます。アトリエへちょっと立ち寄るような気持ちで、ご覧くださいね。