食材が豊富な秋は、食材の取り合わせもその味わいを大きく広げます。料理と食材の掛け合わせをテーマに旬を楽しむのが、秋ならではの豊かさかもしれません。
紫芋のポタージュ
外皮までしっかりと紫色を帯びた食材の特徴を生かして、皮ごと使ってポタージュに。こうすることで栄養価も旨味もスープの中に閉じ込めます。見た目にも色鮮やかで何より香り高いポタージュに仕上がりました。
カステルフランコと秋鯖のサラダ仕立て
少し苦味のあるカステルフランコと、酢で絞めた秋鯖を軽くドレッシングで和えてサラダ仕立てに。鯖のボリウム感のあるしっかりとした味わいに程よい苦味がよく馴染んで、互いの良さが引きたちます。
インカのめざめのムース クロケッタ風
インカのめざめをムースにして、ミートローフに重ねます。さらに、カリッと焼いたパン粉をのせていただきます。すると、この3つの味わいが口の中で混ざり合って、クロケッタ(素材の風合いを残したスペインコロッケ)のように感じられる、というわけです。
ホタテとタリオリーニ ビーツのソース
ビーツとはロシアの伝統野菜で「赤カブ」の仲間。これをスープに仕立て、ホタテを合わせたパスタ(タリオリーニ:細い平打ち麺)になじませていきます。赤いビーツソースの赤色は、抗酸化作用やガン予防、美肌にも効果のあると言われるパタシアニン。とろみもあって、ホタテやタリオリーニとの相性も抜群です。
仔羊のロースト 柿のビネガーソース
塩、胡椒でシンプルにローストした仔羊を、あんぽ柿のピュレと刻んだ果肉にビネガーを加えたソースでいただきます。仔羊肉の柔らかな風合いとビネガーの効いた柿の甘味によるフルーティな、ミスマッチ・アンサンブルが楽しめます。
無花果のブリュレ 大人のソルベ添え
無花果をまるごとコンポートしたブリュレと、無花果の甘味を引き立てるために、バルサミコのソースと甘さを控えたソルベにブラックペッパーを効かせた組み合わせ。大人風味のデザートです。
協力:add:PAINDUCE
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya